2017.08.08 Tuesday
2017.01.30 Monday
スウィングブラス・スーパーライヴ2017を見てきました
一月後半から吹奏楽界は大盛り上がり
そう、もう今年は一月からいろんなところがフル稼働。毎年恒例のブルーノートオールスタービッグバンド、今年はジョン・ファディスさんがゲストに登場して大盛り上がり大会。それに負けずに、吹奏楽の世界も盛り上がっています。
本来この時期、学校吹奏楽はヒマだったのにね(笑)1月末から2月アタマっていうのは、入学試験や卒業試験、卒業式や入学式の準備など「本業」が多忙で、なんだか寒い中ひたすら落ち着かずバタバタして、それでいて不安で…なんだかつらくさびしい時期だったように思う。
吹奏楽部の場合は、卒業生を交えた最後の演奏会(そしてそれはたいてい、新体制になった執行部が初めて仕切る最初の大きな演奏会でもある)の時期だったり…でも、基本的にはあんまり外部主催の大きなイベントはなかったように思う。
ところが最近は、このタイミングにさまざまなイベントが仕込まれるようになってきた。全日本吹奏楽連盟はじめ各地の団体が主宰するアンサンブル&ソロコンテスト、最近始まった吹奏楽コンクール新人戦、そして、大きなふたつのジャズ&ポップスコンテスト。
入試や卒業を控えた代にとっては大変だけど、確かに現役世代にとっては意外に「腕試し」の時期としてちょうどいいのかもしれない…うーむ、だからといってこうイベントばかりでいいのかな、という素朴な疑問もあるのだけれど。
たとえば、せっかくヒマなのだからじっくり音楽を聴いて来期の構想を練るとかさ、いろいろやれることはあるんじゃない?
でもまあ、ともかくニギヤカなのは業界的には悪いことじゃないので、ここ数年は先述の「大きなふたつのジャズ&ポップスコンテスト」を見学するようにしてるんです。
29日にまず開催されたのは「第四回全日本ポップス&ジャズバンド・グランプリ大会〜スウィングブラス・スーパーライヴ」。日本ジャズ協会21が主宰する企画で、ベースとなっているのは彼らが提唱するCD&楽譜シリーズ「すい★パラ」
この「すい★パラ」シリーズが課題曲となる訳です。
小学生から大人まで全10団体が出たのだけど、クォリティは事前の噂とは違って、実に高いレヴェル。賛否両論あるポップス演奏時の「演出」(踊ったり唄ったり)も、相当練り込まれていて、特に千葉県立八千代高校吹奏楽部タンバリン部隊の素晴らしい演奏には、大喝采。新設されたベストパフォーマンス賞も見事に受賞。他には、袋井市民吹奏楽団のフルート奏者、谷澤なつみさん、京都両洋高校のトロンボーンセクションが同賞に輝きました。
その他の団体の演奏楽曲と成績などは下記の通り。校名&バンド名、楽曲名はプログラム通り(ただしカタカナ優先)。ちなみに、審査員各氏(秋山紀夫、デヴィッド・マシューズ、前田憲男、内堀勝、藤重佳久、篠崎秀樹、波田野直彦、奥田”スインギー”英人)の名を関した賞も授与されました。
各団体に貼付けたリンクは公式ページか、それ以外は本誌がみつけた面白YouTubeで、本大会とは直接関係ありませんのであしからず。
福島県いわき市立錦小学校吹奏楽Shnshine Marines(グランプリ&セイコー賞)
ルードヴィッヒ・アンド・ヴォルフガング/エボニー・アンド・アイボリー/バースディ/シングシングシング/10年桜
府中市立府中第四小学校ハーモニーブリーズ・ジャズオーケストラ(デヴィッド・マシューズ賞)
It Don’t mean A Thing/Fascinating Rhythm/Take the “A” Train
神奈川県立生田東高等学校(スインギー奥田賞)
レッツ・ダンス/サンチェスの子供たち
関西大学北陽高等学校ジャズバンド部(波田野直彦賞)
Four Brothers/RACE TO THE BRIDGE
京都両洋高等学校Kyoto Ryoyo Windband HERZ(秋山紀夫賞、セイコー賞)
FROM THE RUSSIA WITH LOVE/BEWITCHED/Get it On
聖和学園高等学校(内堀勝賞、ちよだ音楽連合会賞)
ラテン・メドレー(カーニバルの校歌、ありがとう)/ウディ・ハーマン・メドレー(Four Brothers、Blues on parade)
東京都立竹台高等学校(デヴィッド・マシューズ賞)
星条旗よ永遠なれ/Make Her Mine〜in Swing/ヤングマン【Y.M.C.A.】
千葉県立八千代高等学校吹奏楽部(篠崎秀樹賞、ちよだ音楽連合会賞)
ザ・ヒーツ・オン/宝島/千本桜
浜松海の星高等学校吹奏楽部(グランプリ、藤重佳久賞)
ブルースカイ/翼をください/激練りFUNK
袋井市民吹奏楽団(前田憲男賞)
美しく青きドナウ/石の刻印〜ファンタジー/セレブレイション
このイベント、話題の小池百合子知事もメッセージを送るなど各方面から注目を浴びている模様。
我々は当然そういう部分は無視して(笑)コンテスト自体の評価(グランプリや、各審査員賞が授与されます)とは別に、「バンドライフ」ならではの観点からすべての団体をチェックしていたのでした。
それは、ベース。
全10団体を、あるヴェテランベーシストとともにじっくりチェックしたんです。
管楽器専門誌なのに、なぜかエレキベースに注目した理由。
たぶんベースの研究こそが、これからの吹奏楽ポップスに必要だと直観したからです。
ジャズやポップスの基本は、リズム感であることは誰もが言及します。もちろんその基本はドラマーがしっかりしていることだけど、さらに言えば、ベーシストがドラマーとしっかりグルーヴ感を共有していること。
そういう観点で見て行くと、音楽全体の評価とベースの関係もわかって、非常に面白かったです。
詳細は次号をお楽しみに!
2017.01.24 Tuesday
春待ち音楽祭でスウィングガールズを吹こう
JUGEMテーマ:音楽
映画「スウィングガールズ」(以下「映画」)ご存知ですよね?
(2010年2月14日、第6回「第20回東北学生音楽祭」より。川西町フレンドリープラザにて)
映画のラストシーンの舞台「川西町フレンドリープラザ」大ホールで、映画に使用された看板を使用して開催されていた「第20回 東北学生音楽祭」(上写真。あ、「第20回東北学生音楽祭」というのが正式名称なんです)に続く同地の名物音楽祭が
かつて東洋のアルカディア(桃源郷)と呼ばれた現地は、意外に?と言っては失礼かも知れないけれど、美しい風景だけではなく豊かな文化遺産も豊富なのです。故・井上ひさし氏のふるさとであり、今回も会場となるフレンドリープラザには氏の蔵書などをおさめた「遅筆堂文庫」もあり、氏の戯曲を愛するヒトたちの聖地となっています。
そしてそこは、映画が大人気を博して以来、音楽を愛するヒトたちの聖地となったのです。
そこで開催される「春待ち音楽祭」は、2月25-26日の二日間、町全体の名物を一同に集めての物産展、そして県内外からのプロアマ音楽家が集う音楽祭の二本立て。
そのなかで本誌提案の自由参加型バンドをやることになりました。
演奏するのは、映画のラストシーンをもりあげた《メキシカンフライヤー&シングシングシング》のメドレーと、本誌最新号付録楽譜《ビヤ樽ポルカ》。当日ご持参いただくのが参加の条件(前者の楽譜はフレンドリープラザで用意されます)。
みんなで、雪深い山形に春を届けるホットな演奏を楽しみませんか?
詳細は上記リンクに紹介されています。もう一度書いておこう。こちらです。
事前申し込みでソロ(メドレーにて)が吹けます。もち、参加無料です(現地までの交通費および宿泊費などは自己負担です)。
当日の飛び入りも大歓迎…だけどソロは演出の関係上、回せないかも。なのでこちらを熟読してぜひお申込みを。
2017.01.16 Monday
ゲーム音楽についての一考察。
ゲーム音楽について、ちょっとだけ考えてみました。
たまたま取材で聞いた《アクトレイザー》に心惹かれている編集長・榎本です。
そう、ゲーム「アクトレイザー」の音楽です。年が改まってから、ゲーム音楽に深く心惹かれている毎日です。オペラにもハマっているけど。あー、時間がいくらあっても足りない(笑)。
ゲーム音楽吹奏楽団、ゲーム音楽管弦楽団とか、いろいろありますが、先日(2月15日)も、エリック・ミヤシロさん以下ずらりと綺羅、星のごとくにスーパースターを並べたゲーム音楽ビッグバンド任天堂スペシャルビッグバンド(リンク先は2014年に行われた同種企画「ニコニコ超会議」内「ニコニコ超音楽祭2014」での実施例)が東京ビッグサイトでのイベントに出演し、大変な人気を博していました。
今回の概要およびメンバーはこちらをご参照ください。
2017年2月15日の演奏曲目を、音楽ライター・神野秀雄さんが教えてくれました。
「スーパードンキーコング」ジャングルレベル/「星の子カービー」メドレー/とびだせどうぶつの森メドレー/「ゼルダの伝説」シリーズメドレー/「ポケットモンスター」メドレー/「ファイアーエンブレム」シリーズメドレー(新作)/「スーパーマリオブラザーズ」シリーズメドレー
おそらく見に行った(聴きにいった)人も多いんじゃないでしょうか?
確かに素晴らしい演奏!
スーパースターたちがホンキで立ち向かえばこれほど感動的な演奏が可能…ということはですよ、その音楽そのものにチカラがあるっていうことの証明じゃないですか。おそらく、ですが、演奏する側も「頼まれ仕事だからやっている」ではなく、「おれゲーム大好き!」という人はもちろん「おれゲーム苦手…」という人も、それぞれに譜面から読み取れる音楽世界を表現することに全身全霊で立ち向かった結果が、この日の演奏だったのでは、と思います。
譜面をただ演奏しただけ、とはとても思えない。たまにある「流行の音楽だから」「若者に受けそうだから」というだけでゲーム音楽を演奏しているだけ、というのが見え見えの演奏(ゲーム音楽にあんまり詳しくない編集長・榎本でさえそれがわかってしまうのだから、いやはやなんとも)とは格段の差。
ゲーム音楽って、ゲームやり込まないと聴くことすら出来ないというのが難点ではあるんだけど、こういう素晴らしい演奏が増えてきたら楽しいですね。ゲームやらなくても楽しめるし(汗
いやいや、もちろんゲーム制作側としては、音楽が素晴らしいからゲームを始めました!みたいな人が増えるのが理想だとは思うんだけどね。
でも、ゲームやらない人にまでその音楽の素晴らしさの故をもってその名が心に染みわたる、っていうのは、とても素敵な音楽のあり方だなあ…と、しみじみ思うのです。
ゲームの最大の問題は、時間を取られそうな予感がすることと、機材の操作が難しそうな点(笑)
本誌「バンドライフ」連載「ゲーム音楽生活向上委員会」で、ゲーム音楽がいかに日本発信の音楽として力を持っているかについては熟知していたつもりなんですが、もっと研究してみようと思った次第です。
当連載の筆者である市原雄亮さんに聞いたんですが、彼がやっている新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団では、「今日聞いて音楽が良かったのでゲームをプレイし始めた」という方が結構いるとのこと。
うーむ。
やっぱり、やらねば(何回も決意してるんだけど)。
2017.01.07 Saturday
あけましておめでとう!の新年号、完成。
あけましておめでとうございます!
というわけで、「バンドライフ」新年号(1月10日発売)が、今頃きっと各地の書店&楽器店の店頭をにぎわせていることと思います。もうご覧頂けましたでしょうか?
今回は(も、か?)凄いです、手前味噌ですが。
表紙のつるの剛士さんには、吹奏楽界の人気者、オザワ部長と吹奏楽に関するあれやこれやを語っていただきました。
さらに今回の新機軸としては、付録につけたB2大のポスターにご注目。
1977年から2016年まで、20年間にわたる吹奏楽コンクール自由曲を徹底分析。演奏団体数の多い順に上位30曲をそれぞれ選んでグラフィックに表示してみました。
さらに、何回も登場している楽曲のうちの上位10数曲については固有の色で表示。単にカラフルなだけじゃなく、一目で人気楽曲がわかるように工夫してみました。そのほか、編集部推薦の音源情報等も表記していますから、壁にはってじっくり楽しめます。
で。
おそらく議論百出するのは、それに続く「コンクール論考」。
毎回、あーだこーだと色々取りざたされる全日本吹奏楽コンクールの採点方法の問題点を考えたり、編集部内で実際に試したり。そう、職場&一般部門の現場録音音源を入手して、編集長以下数名でリアル採点してみたのですね。
審査員の辛さもわかりましたが、なによりすべての団体の演奏の素晴らしさに感動。
また、楽器特集ではチューバを紹介。
全国のプロオケ&プロブラスのチューバ奏者の愛器などを、調査出来る範囲で紹介しました。
他にもじっくり読んでもらいたい記事が目白押しなんだけど、今回はとりあえずこんな感じで。
次回は付録楽譜などを紹介しますね。