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バンドライフ1月発売2月号校了

関係各方面のご協力で、バンドライフ1月発売2月号が校了しました。本当に、感謝感激です!!

 

今回は新機軸として、付録ポスターをつけてます。B2サイズ(広げると515×728mmになる、でっかいもの)。

 

そこに、過去20年間の全日本吹奏楽コンクール自由曲上位30曲の情報がぎっしり。

 

なにが「上位」なのかといえば、演奏団体の多い順なんです。1997年から5年ごとに区切って4枠で整理してみると、面白い状況が見えてきました。なにが「面白い」のかは、来年1月10日に発売される最新号をお楽しみに。

 

ポスター裏面も、お楽しみに!!これは部屋に貼って欲しいなと思ってつくったんですけど、どっちを表にすりゃいいんだ!?と悩んだら、ぜひ二冊お求めいただければありがたいです。マジに♡

 

表紙は、つるの剛士さん。特集では、11月に大きな話題を呼んだ「今日は一日、吹奏楽三昧リターンズ」の思い出を中心に、吹奏楽の素晴らしさをオザワ部長こと小沢康弘さんと語り合っていただいています。

 

書店・楽器店に予約しておいていただけると嬉しいな!!

雑誌コードは0174251702になります(これを書店のひとに告げると作業が楽みたいです)。

 

さて、これからちょっとづつ、最新号のこぼれ話をしていきましょう。

 

まずはそのポスターの見どころ?から。

 

このポスターには自由曲それぞれの模範演奏の情報が盛り込まれています。ほとんどがCDジャケット写真なんだけど、なかにはすでに廃盤になった貴重盤の姿も。

 

そして時には書籍だったりDVDだったりしています。いずれも、演奏するに際して読んでおいたり見たりしておいたほうがいいものばかり。なかには漫画もあったりします。

 

そのなかでもっとも注目株が「第六の幸福をもたらす宿」。リンク先にはロンドン交響楽団の管弦楽版のYouTubeが見られますが、もともとは1958年アカデミー賞監督賞&ゴールデングローブ主演女優(イングリッド・バーグマン)男優賞(ロバート・ドーナット)作品「The Inn of the Sixth Happiness(邦題:「六番目の幸福」)」のために、マルコム・アーノルドが書いた映画音楽。

 

マザーグースも引用されていて(ちゃんと映画的に意味がある設定になっている!)聴いていてかっこよく、親しみの持てる曲なんだけど、この映画のこと知ってましたか?

 

実は今回、映画評論関係者に調査したんだけど、もう50年以上前の作品なんでほとんどの人がノーチェック。大女優イングリッド・バーグマンが大スキャンダルを起こした直後の復帰第一作なんだけどなあ…もちろんこちらも知らなかったけど(汗

 

この楽曲。1977年から2016年までの上位30曲にランクインしているんです。映画関係者には忘れられていても、ブラス関係には有名という不思議な現象(笑

 

文教大学が初演した、という記録が残っているんだけど謎なのは選曲の理由。映画はその時点でも確実に忘れられていたはずだから、映画人気に引きずられて選曲されたとは到底思えないでしょ?

 

確かにいい曲だから、これを平成の今に至るまで人気楽曲になるのはわかるけど、もっとも偉大なのは最初に選曲した人じゃないかと思って、現在調査中。DVDも出てます。お手頃価格で、これは面白い!まじめなインディジョーンズみたいな感じ?

 

 

 

 

オペラの快楽

いきなりなに書いてんだ?と思った方も多いでしょうけど(笑)ええもちろん、「響け!ユーフォニアム」もついにタイトルのヒミツが暴露され、某達人(Hさんではない)が実は吹いているタイトル曲も全貌が判明し、いよいよ佳境に入りつつあるし、本誌だって次号では新春特別付録が締め切り直前だし、オペラなんて言っている場合じゃないんですけど。

 

いや、言ってる場合だ。だってその新春特別付録に関係した話なんだもん。

 

実は、次号では付録として、B2サイズの特大ポスターをつけちゃいます。

 

内容は、全日本吹奏楽コンクール自由曲20年の歩み。

 

1997年から2016年までを5年ごとに区切り、その間に演奏されたコンクール自由曲のなかから、演奏団対数の多い楽曲の上位30曲を模範演奏CD情報とともに掲載したもの。

 

15年以上継続して登場している楽曲はそれぞれ固有の色をつけて紹介しています。

 

そのなかで、注目すべき動きがある。

 

オペラなんです。

 

 

すでにコンクール自由曲としてオペラの抜粋を演奏するというのは定着してきたようだけど、一時は「オペラを冒瀆する」「物語の時系列を無視して並び替えるのは意味がない」という批判が多かったようです。

 

確かに、オペラ原曲に精通していたり、対訳をみないで完璧になに唄っているのかわかっちゃう人ならそういう意見も「アリ」でしょうけど、たぶん現代日本ではそんな人はそんなに多くないはず。

 

いやむしろ、本場イタリアだって多くない。今年はイタリア国交150周年だから多くの現地人にインタビューする機会があったけど、

 

「イタリア人にとっても、いまオペラで唄われているのは古い言葉だからすぐにはわからないよ(笑)。でも、オペラの美味しいところをつまみ食いするみたいにアレンジし直して、小編成のアンサンブルで楽しむことは昔からよく行われているんだ」

 

と、本誌に語ってくれたのはクラリネットの名手アレッサンドロ・カルボナーレさん。

 

そこで、今さらながらに気づいた。

 

吹奏楽でやっていることも、本場イタリアで行われていることと、ほぼほぼ同じなのかも知れない。

 

カットしてつなぎなおすことで原曲をまた違った味わいで楽しむことは、日常的にDJと呼ばれる職業のひとたちがやっていること。

しかも吹奏楽の場合は、特にオペラ等著作権のきれているものは原曲の楽器の「積み方」を変えて、さらに自由にリミックスすることが可能だ。

 

おそらくオペラのセレクションものが吹奏楽で人気を博しつつある理由は、単純にその音楽性と演奏効果のバランスの良さが評価されているからなんだろうけど、それは同時に、演奏会等で人気がある、という証拠のはず。でなければこれほどまでに浸透してはいないだろう。

 

吹奏楽は、シンフォニックな響きを手軽に多くの人に味あわせてくれる機能を持っている。その機能を最大限に効果的に活かす選曲として、意外に好適なのがオペラのセレクションなのだ、ということにあらためて気づいた次第。

 

「カットしているからホンモノじゃない」「吹奏楽はニセモノばかり」みたいな議論とはまた別次元の、もっと人肌にちかい次元での議論です。ニセモノ万歳。

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