写真は、2017年8月1日に開催された浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルオープニングコンサートのリハーサルの模様。
世界的音楽家が親身の指導をしてくれる「浜松国際」の初日に設定されているオープニングコンサートは、昨年に続いて一般参加が可能な参加型イベントで幕開け。昨年はサックスオケでしたが、今年はトランペットアンサンブル。
実は浜松には喇叭がお祭りを盛り上げる練りという風習があって、ヴァルヴなしの自然倍音しか出ない信号喇叭を吹き鳴らすんですね。
でもこの日は、ちゃんとヴァルヴのある楽器がステージにずらりと21本。「浜松国際」の教授であるディヴィッド・ビルジャーさんも参加しています。もうひとりのトランペットの教授フリッツ・ダムロウさんは、指揮者。
そして浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルの受講生ならびに浜松市民のトランペット愛好家が大結集。
マウスピースビルダーとして有名な亀山敏昭さん(トシ・トランペットアトリエ主宰)もいます。下写真左から5人目。
演奏したのは、ヤマハトランペットの愛好家であるアレン・ヴィズッティがヤマハのために作曲した《Xeno Fanfare》と、有名なガブリエリの《第一旋法によるカンツォン》。上の二枚の写真は、ガブリエリをリハーサルしている時のもの。
この日のコンサートは、このトランペット合奏から始まり、木管アンサンブル、サックスDUO、そして金管五重奏と実に盛り沢山な内容。
トランペット二重奏:テレマン《協奏曲 変ロ長調》F.ダムロウ&D.ビルジャー(Tp)
木管三重奏:プーランク《オーボエ、ファゴットとピアノのための三重奏曲》L.ヴィニャーリ(Ob)D.ザイデル(Fg)宇根美沙枝(pf)
木管五重奏:モーツァルト(ショットシュタット編)《アンダンテ ヘ長調 K.616》、ヒンデミット《小室内楽》A.リーバークネヒト(Picc、Fl)R.ボルショス(Cl)L.ヴィニャーリ(Ob)D.ザイデル(Fg)J.プリュッカー(Hn)
フルート二重奏:ドップラー《リゴレット・ファンタジー》P.ピエルロ&A.リーバークネヒト(Fl)
サックス二重奏:長生淳《天頂の恋》O.マーフィー(Ssx)須川展也(Tsx)
金管五重奏:ディロレンツオ《ファイアーダンス》バーンスタイン(ゲール編)《ウェストサイド物語》F.ダムロウ&D.ビルジャー(Tp)、J,プリュッカー(Hn)、P.サリヴァン(Tb)、P.リンク(Tuba)
…そして、翌日から各先生本気モード全開のレッスンが始まったのでした!
「Z EXPRESS」ビッグバンドは、ヤマハの「Z」シリーズを愛用する音楽家を中心に臨時編成されたバンド。
上は2016年の楽器フェアでの1シーンです。この時が最初のお披露目で、バンドライフ第4号の裏表紙を飾ってもらいました。
この時の演奏が大好評で、2017年4月22日には「臨時」ではなく、
恒常的に活動するバンドに昇格したことをお披露目するコンサートを開催。
下は、それを報告したバンドライフ第6号より。
そう、この時には亡き宮本大路さんを偲んでI LOVE YOUのハンドサインをしてもらったりしたのでした(撮影:森島興一)。
この時はチューバマンショーや雲井雅人さんがゲストだったんですね…
その彼らの実質「第三回目」のライヴが2017年7月24日、東京・目黒ブルースアレイ・ジャパンにて開催されたのです。
下はその時のスナップ。
右のスクリーンは、会場中央にデーンと屹立している巨大な柱が邪魔!というお客さんのために用意されたもの。
ここに映っている福井健太さんは実は画面左端でソロを立奏していてるのですが、手にしているものにご注目。
白い棒みたいに見えるこれは、
ヤマハのVENOVA YVS-100
という楽器。
プラスチックの管体にソプラノサックスのマウスピースを装着し、タテ笛と同じ指使いで2オクターブが演奏可能、という新提案。VENOVAは「ヴェノーヴァ」って読みます。
「風」を意味するVENTと「新しい」を意味するNOVAが合体したネーミングなんだろう、たぶん。
福井健太さんは、このVENOVAの発表会でもご覧のように実演を披露してくれました。
これが7月10日のこと。この時はごく簡単なお披露目で終わりましたが、7月24日の「Zエクスプレス」ライヴでは、VENOVA を手に《Someone to watch over me》《Summetime》で素晴らしいフィーチャードソロを展開。
現在のところ、世界でもっともVENOVAに習熟したVENOVER(「ヴェノーヴァー」って書くのかな…スペルも格変化も適当なのでご容赦)だと言って笑いをとっていた福井さんですが、初めてその本格的な音色&演奏を聞いてびっくり!
この日は世界的なトランペット奏者、エリック・ミヤシロさんがゲストで登場したんですが、その際にもVENOVAで共演してました。
そのときの写真が下記です。
正直な話、この日までVENOVAなんて単なるオモチャだと思っていました。
いやもちろんそのオモチャ的な外観に「分岐管理論」だとか「3Dプリンター活用」だとか、業界的に注目すべき技術が盛り込まれているのはわかるんですよ。
だけど、その本格的な演奏を聴いて、正直感動さえしてしまったわけです。他の人は知らんけど。
音には確かに樹脂の軽い響きがまといつくけど、それが決して悪い方向に作用してはいない。
むしろ逆に、これまでにない軽やかな丸さみたいなところに結びついて、クラリネットでもソプラノサックスでもない(もちろんオーボエでもフルートでもない)新しい高音木管楽器ではないか!と思わせる実力を感じさせたんですね。
そこまでの表現を可能にしたのは、福井さんの技術とセンスがあればこそだとは思うんだけど…そして。発音はともかく指使いは確かにちょっと難しそうだけど…
でも、ちょっと難しいくらいのほうがやる気にさせるんでしょうね。
帰り道。
とあるプロの音楽家が「買っちゃおうかな」と呟いた。
店頭価格は1万円くらいだというから、確かにオモチャとしては高めだけど。その気になった人には「買っちゃえ!」と思わせる適度なハードル感がある。
肝腎の「Zエクスプレス」の話をする隙間がなくなっちゃったけど、以下に簡単に楽曲と状況をメモしておきますね。
第一部:
リーダー三塚知貴さんオリジナルのオープニングに続いて《Aトレイン》も三塚オリジナルアレンジ。低音部隊がかっこいい。《There is no greater love》に続き《Someone…》でVENOVA登場。《When I fall in love》ではリーダー三塚さん&トロンボーン隊がフィーチャーされた。そしてエリックさん登場してピッコロトランペットを駆使した《Winter game》《Sir Duke》、そして恩師メイナード・ファーガソンへの想いをこめた《明日に架ける橋》、ディジー・ガレスピーの楽しいエピソードをバラしつつ《Tanga》(エリックさんによれば、この楽曲の主題は街を行き交うTバック水着に興奮したディジーの呟きがモチーフになっているそうですw)を経て休憩。
休憩時間にはVENOVAを試したい人がわんさか。
エリックと丁々発止のソロバトルを展開した天才トランペット奏者、赤塚謙一さんもVENOVA堪能中、というのが下記の写真。
第二部はリーダー三塚さんのソロで始まる《Spain》、VENOVER福井による《Summer Time》きらびやかなアレンジの《魅惑のリズム》、バラード《Emily》に続いてゲスト、エリックさんを迎えての《Knee Deep in Rio》(エリックさんのバークリー音楽大学時代の同窓生、トム・カーリンさんの作品)から全員ソロで大奮闘した《Birdland》、アンコール一曲目が《スウィングしなけりゃ意味ないね》、そしてエリックさんを迎えて《GONNA FLY NOW〜ロッキーのテーマ》で大団円。
いやー凄かった。
次回は、10月30日。
同じ「ブルースアレイ・ジャパン」で開催されるそうです。
次回のゲストは、「深夜奏書」で有名なテナーサックス奏者、三木俊雄さん。
というわけで、次回はブルースアレイで三木さんと握手!
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写真は、現在はドイツと日本をまたにかけて活躍するオーボエ奏者・吉井瑞穂さん(撮影:平林亜美)。
鎌倉生れの彼女は、生まれ故郷で新しいスタイルの音楽祭レゾナンスを主催しています。
次号ではそんな彼女に鎌倉を案内してもらう…という、音楽雑誌には有り得ない展開を企画しました。
また、鎌倉を拠点に活動する鎌倉交響楽団などのアマチュア音楽団体のホームページ一覧を二次元バーコードでつくりました。
あ、本誌は鎌倉エフエムで番組バンドライフタイムも展開中。
それら鎌倉関連の楽器族記事は番組とも今後連動して行きそうです。
ついでに…
引退後は逗子を拠点に、全国各地で活躍中。
こんな本も出版しました。
可愛い見てくれですが、ここには彼が長年培ってきたエッセンスがぎっしり。
そこに記された奏法のアドバイスは、具体的に、かつ斬新なアプローチでトランペット演奏の技術的向上を促進してくれるはず。
ホトケさん率いる「J’z Craze」の動画《ラ・フィエスタ》もどうぞ!
たとえば「ひうお」という発音をこの本の中で彼は重視していますが、それは「ブラスト!」で大人気を博したアダム・ラッパの新・喇叭道にも共通するアイディア。達人はみな同じ境地に達するのです。
そこでアダムは、Heuuwoというシラブルの重要性を音声付(附属CDに収録)で解説してくれています。
それを応用したピッチベンド(ヴァルヴを使わずに音を上下させる)テクニックをこちらでぜひ!
宮本大路さんが亡くなったのが2016年10月11日。お見舞いに行ったのがついこの間のような、まだ信じられない。
どこかに隠れていて、あのI LOVE YOUのハンドサインをしながら、ひょいと現れてきそうな気がして…と、思っていたら、現れてくれました。それが冒頭に紹介したアルバム。
まぎれもなく、大路さんの最新盤。そして、ラストアルバム。
これは、大路さん(と、そして彼が愛してやまなかったチーム「ピンクボンゴ」)のマネージャーとして奔走され、現在も大路コネクションのアーティストたちをさまざまなシーンで応援しているプロデューサー、ながさわ照美さん()のフェイスブックからお借りしたもの。
このアルバムは、大路さんが全幅の信頼を置いていた音楽家、三宅純さんのプロデュースになるもので、三宅さん自身がライナーノーツを書いています(発売記念ライヴも6月21日に「晴れたら空に豆まいて」で、三宅さんの他、ゆかりの著名人も多数出演)。
で、このアルバム。いろんなところで買えるでしょうけど、ここで買うとご遺族のもとにもっとも高い割合で利益が分配されます。あとは、ながさわさんが主宰するライヴなどでも。
なんだか無粋な言い方しちゃったけど、そういうことって大事でしょ?
俺は、ここから買います。
ちなみに、早いもの順らしいけど、上の写真にみえるリード(大路さんが所有/使用していたもの)がもらえるそうです。
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1985年以来、4年ごとに開催される「神戸国際フルートコンクール」は、フルートだけで定期的に開催されるコンクールとしては世界唯一のもの。これまでも数多くの逸材を世に送り出してきました。そのなかには現在ベルリンフィル首席として活躍しているエマニュエル・パユ(Emmanuel Pahud)もいるんです。彼は第二回優勝者でした。
その第9回目となる今年は、さらにスケールアップ。その名も
として、コンクールだけではなくたくさんの楽しいイベントが展開されることになりました。
上の写真は、そのなかでもっとも大人数のフルート奏者が集結した「フルート300人の大合奏」の1シーンです。
本誌の求めに応じて、神戸市役所様と大丸神戸店(「こうべみせ」と読みます。詳しくはこちら)様のご協力を頂くことができて、会場全体を上から見下ろせる唯一のポイントをゲットしたカメラマン決死の一枚。普段は立ち入り禁止のところからの、身を挺しての撮影でした(カメラマン:戸江智文)。
合奏の指揮はNHK交響楽団首席フルート奏者の神田寛明さん(撮影:近藤大輔)。
「これだけ多くのフルート吹きを一度に見たのは初めて!」と、いつもは沈着冷静な神田サンも興奮気味。
《花は咲く》《すみれの花咲く頃》《ラデツキー行進曲》の3曲を演奏したのですが、ラストの《ラデツキー…》ではピッコロを取り出して演奏に参加。
かくて、神田サンも加えて総勢311名のフルート大合奏が神戸の午後に響き渡ったのでした…と、実に楽しくフルート祭最大の一般参加イベントが終了。
本当に素晴らしいお祭りではあるのですが、実はその裏に、主催者のみなさんには、ある「深い思い」があったのです。
そのあたりは次号7月10日発売号で!
]]>with清水康弘
今年も盛大に浜松バンドクリニック(日本吹奏楽指導者クリニック)が終わりました。写真は、小編成バンドの取り組み例のひとつとして紹介された、高知県四万十町立大正中学校FARLY PITTA JAZZ ORCHESTRAのみなさんと、指導に当たった清水康弘さん&横浜音泉倶楽部のみなさん。
少子化の波の中で、通常の吹奏楽編成が組みにくくなるなかでの生徒との葛藤や、そこからビッグバンド編成への変更を経てバンド活動が再生するまでを赤裸々に語ってくれた近澤先生の熱いトークに感動。
さらに、ウインズスコアの素材を使って、ジャズには不慣れな子供達を短期間で活き活きとしたジャズマンに変身させた清水さんの指導方法も、意外に面白かったです。よくある「なんちゃって」ではなく、本質を的確にとらえた指導だったんだな、ということが短時間の発表からもよくわかりました。
今回のクリニックでも数多くの情報をゲットしましたが、数多くの名曲・名編曲と出会えたことがなによりかな。このあたり、次号でしっかりお伝えします。
あ、あと地元浜松で活躍するチューバ奏者・土屋史人さん率いる浜松聖星高等学校(旧 海の星高等学校)の新しい姿に出会えたのもうれしかった!写真は、今年入った新入生男子たちと、当日客演指揮した大井剛史さんとの記念写真。初めての男子諸君、女子ばっかだといろいろ大変だろうけど(実体験あり 汗)がんばれ!
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ゴールデンウィークも終わり、すでにすべて通常営業なんですが、次号につながるネタが多いんで備忘録的に書いときます。
写真は、5月3-5日に開催されたシモクラ恒例ドリームコンサートのトリを飾ったトルヴェール・クヮルテットの演奏。
いつもここに笑顔でいるはずの新井靖志さんの姿がなく(昨年9月に急逝)お弟子さんである神保佳祐さん(テナーサックス・右)が代奏として熱演する姿に思わず涙したり…
オートクチュールサックスカルテットの凄い演奏&演出に驚いたり(写真は、彼らがいじりまくっていたお客様のYさんとの記念写真)そんなことをしながら「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017」にもこっそりかけつけ、そこで挾間美帆さんがシエナウインドオーケストラのコンポーザー・イン・レジデンス、つまり「座付作曲家」になったことに驚いたり…
ゴールデンウィークも押し詰まった5月6日には川崎で開催された「音の輪」コンサートで、いわゆる「寄せ集め」(失礼!)形式の合奏形態なのに、実になんともまとまりのよい表現力あふれる演奏(特に作曲者ジェームス・バーンズさん自身が指揮した交響曲第三番!)に感動したり…
まあ、ともあくいろいろ感動しまくっていたわけです。
しかし感動はまだ終わらない。実はこの感動の嵐のさなかにゲットしたCDが凄かったんだ。
それらについては鎌倉エフエム「バンドライフタイム」でこれから毎週喋ります!聴いてね!
毎週土曜日午後5時から、サイマルラジオで全国ドコからでも聴けます!
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そして21世紀のクラ吹きが語る「オーバークライナー」の魅力を鎌倉エフエムで!
写真はバンドライフ最新号p33に掲載されているアルトシャリュモー。
クラリネットの原型になったとされているシングルリード楽器です。
国立音楽大学出身のクラリネット奏者木原亜土さんのご協力で撮影したものです。
18世紀に開発された古楽器、ではあるんだけど、これはそのレプリカ。
つまりちゃんと使える状態なんです。
鎌倉エフエムで毎週土曜日午後5時から放送中の「BAND LIFE TIME」では、このところ本誌でも特集しているクラリネットを中心に展開しています。
名手ザビーネ・マイヤーの演奏を聴いたり、アルトシャリュモーの実際の音色を聴いたり、さらには木原さんがいま広めようとしている「オーバークライナー」の音楽を聴いたりします。
特に最後の「オーバークライナー」に注目(いや、注耳)。
オーバークライナーとは「クランスカ地方北部(上部)」という意味で、スロヴェニアのアウセニク兄弟が生み出した独特の軽やかな音楽…はい、軽音楽です。
ドイツ発祥のビール祭り「オクトーバーフェスト」にもぴったりのテイストの音楽、といえばそのイメージが伝わるかな?
伝統的民謡をもとにした魅力のメロディ&リズム、さまざまな管楽器の魅力が全面展開するスタイルは、まさに吹いて奏でて楽しませる、という吹奏楽の基本をおさえたもの。
まだ日本ではあまり知られていないこの音楽でもクラリネットが大活躍します。
たぶんラジオでこの音楽をまとめて聴けるのは珍しいんではないかな?
というわけで、5月の毎週土曜日午後5時からは鎌倉エフエムから耳が離せませんぜ。
電波が届かない?
いえいえ、インターネットサイマルラジオを使えば全国どこからでも聴けますよ。
あ、「聴ける」といえば、前回もお伝えしましたが本誌サウンドクラウドも楽しんでね!本誌付録楽譜3曲が聴けます!
]]>写真は、ニューヨークで活躍するジャズ作曲家、狭間美帆さん。
今回、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2017で、シエナ・ウインド・オーケストラのためにアレンジした自作を指揮することになったのです。
ラ・フォル・ジュルネ(La Folle Journée)は「熱狂の日」と訳されています。
フランス語で「la folle」というのは「アホみたいに夢中になる」状態。
素晴らしいクラシック音楽が低廉な価格で楽しめるということで大人気のこのイベント。
フランスはナントで始まったのですが、日本では「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」と題して2005年から毎年ゴールデンウィークに開催されています。
毎年のゴールデンウィーク、東京駅前の「東京国際フォーラム」(まあ、正確に言うと有楽町駅のほうが近いかも?)がヨーロピアンテイストに染まるわけですが、今回もっとも面白い!と思っているのが5月4日に開催される狭間美帆&シエナのコンサート。
今回の「ラ・フォル」のテーマは「ダンス(正確には「ラ・ダンス 舞曲の祭典」)」なんですが、
それを知った挟間さんは自ら企画書をつくって実行委員会に売り込みを敢行。
自作《The Dance》をシエナ・ウインド・オーケストラのためにスペシャルアレンジして、5月4日にお披露目することになりました。指揮も当然、ご本人。
その他の演目(《アルメニアン・ダンス》など)は中村睦郎さんが振ります。
11時45分から約1時間の熱演をわずか3,000円で楽しめるのだから、これは行かない手はない!
詳細はこちらから!
もちろん俺もいくよー!!会場で会おう!
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今回、クラリネット特集にリンクしてクラリネット四重奏の楽譜を3曲、付録楽譜として用意しました。
B♭クラリネット3本とバスクラリネット1本で楽しめるようになってます。
この楽譜を高野猶幸さんがお仲間と実際に吹いてみた!という音源を送ってきてくれました。
高野さんは明治大学ビッグサウンズ・オーケストラ出身で、木管楽器とアレンジのスペシャリストとして活躍されています。
その高野さんがご友人のみなさん(阿部加奈子、室町あかり、松永唯の各氏)とともに今回の付録楽譜3曲を吹いてくださったのでした。素晴らしい音源なので、高野さんの了解を得てSoundcloudにアップしました。
実は高野さんは《風の…》をアレンジした津?知之さんとは「東京ブラススタイル」のアレンジ仲間。そのためか、アレンジのツボがピピピッと来たらしく、素晴らしいサウンドに仕上がっています。
担当は次の通り。
《翠緑の樹海〜「世界樹の迷宮」より》(作曲:古代祐三、編曲:羽田二十八)
室町(1st)、阿部(2nd)、高野(3rd)、松永(Bass)
《VOU VIVENDO》(作曲:ピシンギーニャ、編曲:山下定英)
高野(1st)、阿部(2nd)、室町(3rd)、松永(Bass)
《風のオリヴァストロ》(作曲:宮川彬良、編曲:津?知之)
室町(1st)、高野(2nd)、阿部(3rd)、松永(Bass)
短い時間のなかでしたが、本当に素晴らしい演奏をしてくださいました。感謝感激です!
こちらからSoundcloudに飛べます。雑誌をみながら、存分にお楽しみください。
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写真は、今回付録につけた打楽器ポスターの撮影風景。
国立音楽大学・目黒一則さん、野中貿易のみなさん、ならびに国立音楽大学の打楽器専攻の学生さんたちには大変お世話になりました!
準備しているのは話題のジョン・マッキー《ワイン・ダーク・シー》に使用される打楽器群。
クルマのブレーキドラムも楽器として使ってしまうんですよ。
銅鑼も2枚必要なんです。
本誌最新号付録ポスターをじっくりご覧いただきながら上のリンク先の模範演奏を。
しかし、いろんな取材をして感じるのは「打楽器パートっていつも後回しにされてないか?」という素朴な疑問。
管楽器のリード同様、打楽器のヘッド(皮)やスティック、マレットって消耗品なんです。
だけど、ついつい後回しにしてません?
そんな打楽器に関するアレやコレやを、全国プロブラスの打楽器奏者のみなさんに存分に語っていただき、特設ページをつくりました。
この「独り言」の上のほうを見ると「BASS」「PERCUSSION」というバナーが見えますよね。
クリックしてみると、あっと驚く情報が満載です。ぜひご覧下さい!
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写真は、来週10日に発売予定の「バンドライフ」最新号より。
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」音楽の収録風景です。
チューバは、シエナ・ウインド・オーケストラの山岸明彦さん。
3日朝8時から放送された第一回、架空の「奥茨城」に響き渡ったのは彼の音でした。
となりでユーフォニアムを構えているのは、村田陽一さん。
スタジオ界の大御所は、話題のプレソンを手にしています。
そう、実は今回の「ひよっこ」ではどうやら、ユーフォニアムが大活躍する……らしいのです。
その理由を、作曲者・宮川彬良さんは本誌取材で熱く語ってくださいました。
さらに、吹奏楽のアレンジ全般に感じている「ある思い」も。
吹奏楽のアレンジ、ここが問題なんだ!
写真は、宮川彬良さんご自宅での取材風景。
インタビュアーは、津?知之さん。
熱狂的なファンを持つJerryfish Brass Plopを率いるスーパーアレンジャーです。
宮川さんは取材中に、ある提案をしてくれました。
それは、彼が司会&指揮をする大人気企画「コンチェルタンテII」のテーマ音楽《風のオリヴァストロ》。
この楽曲をちょうど楽器特集のメインテーマでもあるクラリネット四重奏にアレンジしてみては?というのです。
宮川さんは、現状の吹奏楽のアレンジに対する問題点も指摘してくれました。
吹奏楽ではアレンジが不可欠です。
管弦楽曲やビッグバンドの楽曲を吹奏楽編成に編み直す必要があるからです。
しかし往々にしてそれは「高音弦楽器をクラリネットに」「低音弦楽器をユーフォニアムやバリトンサックスに」みたいな、機械的な作業になりかねません(まあしかし、やむを得ずそうせざるをえない場面は多いと思います)。
しかしそういう場合、弦楽器が白タマ(全音符)を弾き延ばしているからといって、
それを単純にクラリネットで白タマ連続のロングトーンで処理するというのはあまりにも乱暴なのではないか。
そう、宮川さんは言うのです。言われてみれば、確かにその通り。
宮川さんが素材として提供してくれた《風のオリヴァストロ》、弦楽器のロングトーンの豊かな響きが実に魅力的なこの楽曲。
津?さんがクラリネット4本だけで上手く響かせるためにどんな手を使ったのか…最新号の楽譜をお楽しみに。
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写真は、福知山を応援する地域密着情報誌ラサンカの表紙。
モデルさんは、クラリネット奏者・吉田佐和子さん。
手にしているのは愛用しているヤマハSEアーティストモデル。
スチューデントモデルのクラリネットは樹脂製が多いけど、高級になるとグラナディラとかローズウッドとか、さまざまな木材で出来ている。もちろんこのSEアーティストモデルは、グラナディラ製。別名「アフリカンブラックウッド」とも呼ばれるようにアフリカ原産の樹木で、現地ではその果実をフルーツとして、ごく普通に食用にしているというから驚く。クラ吹きは、食べてみたいだろうね。俺も食べてみたいと思って調べてみたら、食べた経験者のブログを発見。ここです。
うーむ…あんまり美味しくなさそうな感じ(笑)
話を戻す。
この楽器、良ーく見ると楽器の金属部分がピンクゴールドにメッキされていてとてもきれいなんだけど、それ以上に見るべきところがある。
実は、普通のクラリネットはフランスで開発されたベーム式という方式のキー配列なんだけど、この楽器には通常のベーム式にはない低音補正のためのキーが標準装備されている(上の写真ではよく見えませんが)。それ自体ちょっと珍しいんだけど、今回クラリネット特集の取材で、そのキーの裏側に潜む特許をはじめて知りました。
そして、本誌ではヤマハのカタログにも出てない写真を初公開します。ご期待ください。
クラリネットの珍しいお話が満載の最新号は、4月10日発売予定。ご予約はお近くの書店・楽器店で!
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クラリネットの一部分をアップしたものです。そう、右手の親指をかけるフックの部分です。最近はこのあたりにストラップを装着するひとも増えてきましたね。青く見える物体は、そのフックを固定するネジのあたま。そこに、有田焼を埋め込んであるのです。
はりつけてあるわけじゃない。そう見えるけどね。かなり細かい工夫が施してあって、ネジに埋め込んであるんです。すごい技術だ。
これは現在、某社で開発途上にある新製品。お許しを得て、ちょっとリークしてしまいます。
横で撮影した写真を縦にしたから不自然に「浮いてる」感じに見えるけど、紅いのも同じ有田焼のアクセサリー。シャレてるでしょ?
この部分って、絶対に聞き手からはみえない部分だからここにオシャレしてもしょうがないじゃない!という声が聞こえてきそうだけど、逆に「見えないところだからこそオシャレする」というオトナな趣味の人も多いはず。江戸時代の洒落人は羽織の裏地に凝ったり、地味に見える色に模様を施したりして「ぱっとみただけじゃわからないオシャレ」を楽しんでいたと言います。
もちろん楽器だから、音に悪影響があったらいけないから、現在シビアにテスト中なんですけど、次号発売までには決定するはず。
オトナなオシャレを楽しみたいクラリネット吹きのみなさん。注目しておいてください。
ちなみに、この取材時に有田焼ってなんなのかを学んできました。リンク先には現地(佐賀県有田町)の情報が満載。
だけど、実際に行ってみるとすごい迫力。焼き物で「迫力」を感じるってどういうこと?と思われるかもしれません。そんなあなたのために、音楽と焼き物の意外なつながりをご紹介して行きます。乞うご期待。
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毎年恒例となっている下倉楽器主催のソロコンテストが、今年も華々しく開催されました。上の写真は、中学生の部で最優秀賞を獲得した野地梓恩(のじ・しおん)さん。千葉県市川市立第七中学。演目はリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲第一番より(一楽章を短縮したヴァージョン)。
こちらは、高校の部の最優秀賞、荻美波(おぎ・みなみ)さん。茨城県立水戸第三高校。演目は尾高尚忠のフルート協奏曲の第一楽章(!)。自らの選曲で、なんと年明けからの練習で完璧に暗譜して完奏!音のひとつひとつの粒立ちが見事で、完璧に自分の音楽を奏でていた。将来、どんなことになっちゃうんだろう…と、夢が膨らんでしまい…おっと、ごめんごめん、まず「どこで、なにがあったのか」など、基本的なことをきちんと書くね。あまりにコーフンしてしまってごめんなさい。
2017年2月11日、お茶の水の駅のすぐそばにある「クリスチャンセンター」にて朝10時から開催された下倉楽器主催のソロコンテスト。今回無事にステージに登場したのは、中高生あわせて60名。
無事に、と書いたのにはワケがある。
エントリー自体はもうちょっと多かったのだけど、今年のインフルエンザはやはりかなりすごいみたいで、残念ながらインフル感染のために欠席された方が数名。なかには伴奏者がインフル欠場となり、ピアノ伴奏なしで見事にソロを吹ききった猛者も。全出場者中ただひとりチューバでエントリーした都立足立高校の竹川隼人さん、あなたのことです。ハダットの協奏曲、勇猛果敢に単独で挑戦したあなたの姿におじさんは感動しちゃったよ!
いやいや、他にも沢山の感動シーンが。超難曲に挑み、ところどころで失敗してもくじけずに最後まで吹ききるその姿。なんだかんだ言い訳をしながら挑戦しないですましている大人プレイヤーにこそ、その姿をみせてやりたかった。
ソロなんて無理、とか。
練習不足で、とか。
若いからできるんだよ、とか。
そういうの、恥ずかしいと思った。
このソロコンは基本的にクラシックを演奏するスタイルで、難易度はともかくすべて本格的にその楽器のために書かれたもの。「ともかく」とは書いたけれど、正直どの楽曲にもそこそこの難所があって、これを聴衆の前でひとり吹ききるのは並大抵のことではない。
完璧に暗譜して臨む凄腕の若者もけっこういて、手元採点(実はこっそり、ワタクシ独自の視点で採点していたんですね)でもそういう人はかなり高得点。いや、暗譜だから高得点というのではないよ。最初はまず目をつぶって音だけ聴いて、これはすごいみたいだ!と思ったら目を開けて確認…ということをしていたんですね。
上で紹介した荻さんも、そのひとり。演奏したのは高名な指揮者、尾高忠明の父である作曲家、尾高尚忠(ひさただ)の協奏曲。日本音楽史にその名を残す名曲を見事に演奏。たった一本の銀色の笛が会場を圧倒しました。
中学生のホルン奏者、野地さんも難曲として知られるリヒャルト・シュトラウスの協奏曲第一番を、制限時間の関係で抜粋ながら見事に演奏。
中学生が、リヒャルトを吹いちゃう時代なんですね…
「抜粋じゃないか」とか「カデンツァがないじゃないか」とか「まだ若いから早すぎるんじゃないか」とか…つまらんツッコミたくなるマニアがいるかもしれないけど、現場にいた人ならそんなツッコミがいかに虚しいかわかるはず。
彼女たちは、なんだかんだ理由を付けて「やらない」ヒトたちには絶対得られない、得難い体験をしたのです。
音楽史にその名を残す名曲に、若い感性でチャレンジすることがいかに大切か。
素晴らしい作品は、技術がつたないうちは内容的にも理解が及ばないかもしれない。
しかし、演奏する技術が上がってくるにつれてたくさんの養分を与えてくれるようになる。
彼女達のように、真摯に向き合い、ともかく形にしてみる、最後まで吹ききってみるという体験を若いうちに積むことは、必ずこれからの音楽人生とって貴重な体験となるはず。
出演者やそれぞれの受賞などについては、下倉楽器のHPにいずれ発表があるはず。金賞・銀賞・銅賞とランクがついても、みんな真摯な態度で音楽と向き合って板から、その点では全員がゴールド金賞!それはワタクシが自信を持って断言します。
そんな偉そうなことを言っていてヘタッピじゃん!と馬鹿にされないよう、頑張らねば。
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